大阪・関西万博に向けて
Honaikude団体初の展示会を開催!!

2022年3月11日〜13日、Honaikudeでは、未来の実験場として位置づけられる大阪・関西万博に向けて、2021年度の活動の節目として、年度末展活動発表会を実施。
「こんにちは 〜 万博を目指す私たちのがむしゃら自己紹介」と題して、学生ならではのユニークな発想やアプローチを持ち寄り、展示会を開催しました。

Honaikude 2021年度末展示会 エントランス

展示では、「死」「環境」「意識」「ミルク」「趣味」「virtual Honaikude」の6つのテーマ班が、それぞれの研究成果を発表しました。
また、国籍や場所によらない、音楽を使った新しい交流の場を創ることを目指す大阪大学の団体「a-tune」との音楽交流イベントも実施!

こちらのページでは、各班の展示内容や会場の様子などをご紹介します!

目次

死班の展示

死班の展示

死班は、「死」だってカラフルで多様性があったりしても良いんじゃない?ということを提案し、「死をもって命を輝かせる」ことを目標に活動しています。

死班テーマ 色鮮やかな死ぃちゃんの未来

今回の展示のテーマは「色鮮やかな死ぃちゃんの未来」。死という概念の変遷を「死の誕生・繁殖・成長・神化・無視」と定義し、その変遷を「しぃちゃん」という「死」をモチーフにしたオリジナルキャラクターの一生になぞらえて紹介しました。

死班 展示風景
死班 展示風景

そして、「しぃちゃんを脅かす凶器たち」と冠して、「老化治療」「クライオニクス」「脳のデジタル化」など、死と生命に関わる未来の技術の紹介も行いました。
また、来場者の方にパソコンでアンケートに答えてもらうと、その内容に基づいて、パソコンの画面上に新たな「しぃちゃん」が生まれ、いろんなしぃちゃんが画面の中を動き回る、というインタラクティブなコンテンツの展示も行いました。

死班 展示風景

死班では、死の周りで起こる悲しみが少しでも小さくなるような未来を目指します。
そのためには、自分自身が死まで含めた人生をデザインすること、それを大切な人に共有することが重要だと考えています。
なかなか難しいこれらを、サポートできるサービスや文化を作っていきたいです。

環境班の展示

環境班の展示

環境班は、いま起きている環境問題にフォーカスを当て、日本の森林や木材、そして木を長く使い続けるために「植える」「切る」「使う」のサイクルについて研究しています。

環境班テーマ 木が”き”になる未来

今回は「木が”き“になる未来」と題して、日本が抱える木材の課題の一つ「間伐」に着目して、間伐材を用いた「体験型ワークショップ」を開催しました。

環境班 展示風景

ワークショップでは、さまざまな種類の、ほんのり香る木の折り紙と木のチップを使った芳香剤入りのキーホルダーを来場者の方に作っていただきました。
お一人につき、キーホルダーを2つ作っていただき、1つはお持ち帰り用、もう1つは会場内のツリーに飾ってもらいました。
皆さんのおかげで、とってもカワイイツリーができあがりましたよ♪

環境班 展示風景

会場では、私たちが実際に間伐してきた木材の展示に加えて、その木材がどんなものに使用されるのかを紹介する展示も行いました。

環境班 展示風景

私たち環境班は安心して木材を使い続け、木材が供給され続け、木材が必要とされ続ける未来を目指します。
私たちの生活に必要不可欠な木材が私たちの手から離れないように、私たちの子供達の世代もその下の世代も木材に困らないような未来を目指します。

意識班の展示

意識班の展示

意識班の展示のテーマは「物がかわいく意識を持つ未来」。
物が特定の動きをすると、人が物に意識を感じてしまう、「知覚的有生性現象(perceptual animacy phenomenon, PAP)」があります。中でも今回は、展示会×PAPとして、展示会内のPAPが人の行動にどんな影響を与えるのか?について実証展示を行いました。

意識班テーマ 物がかわいく意識を持つ未来

1つ目が、展示会の広報に欠かすことのできない、チラシです。ここでは、デスクに置かれたチラシの一部分が、まるで生きているかのようにピョコピョコと手招く「あざといチラシ」という展示を行いました。紙が基本でこれまで動くという概念の無いチラシですが、かわいく動きだすことで、手に取ってもらったり、視線を誘導したりと、見せ方の可能性はまだまだあると考えています。

意識班 展示風景

2つ目が、展示会における陰の立役者、キャプションです。モニターに表示されたテキストが、意識を持っているかのように、一文字一文字が生き物のように動き出すプログラムを体験できる展示を行いました。読まれていない時のキャプションって、どんな気持ちなんだろう?という素朴な疑問から開発が始まりましたが、結果として、人の注目を遠くからでも惹ける表示の可能性が見出せました。

意識班 展示風景

これまで人体の中に制限されてきた私たちの意識は、仮想世界の中ではキャラクター等に移植できるようになりました。私たちが想像する意識の「これから」は、物質への移植です。ロボティクス、AR などの開発を通して、どうすれば現実の世界に実装できるかを模索しています。

ミルク班の展示

ミルク班の展示

人は、生まれた時からミルクを飲みます。では私たちはミルクについて深く考えてみたことがあるでしょうか?
ミルク班では、ふだんの生活では見えてこないことに目を向けて、気づきを得れば、毎日はもっと豊かに楽しくなる!
その思いをたくさんの人に伝えるために、日々活動しています。

ミルク班テーマ みるくな未来

展示のテーマは、「みるくな未来」。日常にありふれた“ミルク”というテーマだからこそ、人それぞれの関わり方があるという点に着目し、「私とミルク」について考えることからおもしろい未来につながる手がかりを模索しています。

会場ではまず、ミルクを様々な切り口から見つめるコラムを、牛乳パックを開きながら読んでいただきました。
その上で、来場者の方々それぞれの“わたしとミルク”をボードに貼っていただくことによって、日常生活に気づきを得ていただくきっかけになるような展示を行いました。

ミルク班 展示風景

ふだんの生活の中にも気づきがあって、それを誰かと共有する。何気ない日常のワンシーンから始まる“おもしろい未来”もきっとあるはずです。
一杯のミルクから見える世界がひろがり、つながりが増えて、生活がさらに豊かにかがやく未来を目指しています。

趣味班の展示

趣味班の展示

趣味班では、展示スペースを設けず、会場全体で“Honaikudeの展示がより楽しくなる”ことを目的とした試みを行いました。

スマホを気に入った展示にかざして画面をタップすると、AR空間上にハートが現れるARアプリを独自で開発。さらに、カメラ機能で撮影することでハートで溢れたAR空間の風景を写真で残すことも!

来場者のみなさんが気に入った展示を共有し、一人一人のお気に入りの写真を残すことで、展示をより楽しんでいただけると考えました。

趣味班では、日常における小さな「気づき」について研究しています。
体のちょっとした変化を測定することで、自分がこれまで気づかなかった、自覚していなかった気持ちに気づくことができます。
そうすることで、それぞれがより幸せになる選択をすることができると考えています。

気づかない幸せを考える前に、人はどんな時に自分は幸せだと感じているのかを調査する必要があります。さらになにをもって幸せとするのか幸せの定義についても改めて考え直しています。

virtual Honaikudeの展示

virtual Honaikudeの展示

virtual Honaikudeは、society– utopiaと、physical – digitalの2つの軸を用いて4つの世界を定義し、それらを自由に行き来するための窓口をデザインしています。4つの世界を行き来する社会はどのようなものか。そしてそこに生きる人類はどのようなものか、考えています。

2021年度末展示では、physical societyとdigital utopiaをつなぐ窓口のβ版を作成しました。今後、さらに進化させ、世界をトラベルする面白さを伝えていきます。

virtual Honaikude 4つの世界の窓口

そこには、いくつもある世界に同じ“人”が別の人物として現れてくる世界が発生するおもしろさがあります。まだまだ「仮想的」な世界たちですが、いつかphysical societyの世界と対等に成り立ち、それらをより自由に行き来できる世界を望んでいます。

a-tuneとの音楽交流イベント

a-tuneとの音楽交流イベント

これまで、現実世界のみの音楽会はもちろん、バーチャル世界のみの音楽会も近年は行われています。
それぞれに、一長一短の特徴がある中で、今後、現実とバーチャルの距離はより短くなり、両者が混じり合ったコミュニケーションやコミュニティーで、新しい価値が生まれる可能性があります。
しかし、バーチャルと現実間でのリアルタイムなコミュニケーションは未だ挑戦的であり、ほとんど事例がありませんでした。

そこで、virtual Honaikude班が、Honaikudeと同じく万博を目指す大阪大学のa-tuneと協力し、バーチャルと現実間での音楽交流イベントを企画しました。
バーチャル空間とシステム構築はHonaikudeが担当し、音楽監修をa-tuneにしていただくことで、初めての現実とバーチャル間での合奏に成功しました。

合奏には多数のメディアが取材に集まり、大盛況な中でのデモンストレーションでした。成功と共に、改善点も多く見つかり、今後も引き続きa-tuneとの協力体制を継続して未来の音楽交流を探索していきます。これからの動向にもご期待ください。

展示会の総括

今回は「こんにちは 〜 万博を目指す私たちのがむしゃら自己紹介」と題して、Honaikudeを知ってもらうための展示を行いました。
皆さんから好評をいただき、私たち自身も手ごたえをつかんだ一方で、課題も多く見えた展示会でした。

来年度に向けて内容、発表方法をさらに深めるとともに、私たちの考える「おもしろい未来」を知っていただけるような発表会を企画中です。
1年間と長い間お待たせしますが、ぜひ楽しみにしていていただけると幸いです。

<展示会の取材記事のご紹介>

【電波新聞】リアルとバーチャル融合し音楽演奏 関西万博めざす大阪の学生団体が展示会